SCRIPT要素SRC属性未対応ブラウザでここのタグが表示されます ノリントン礼賛

ロジャー・ノリントン

ノリントン来日公演@福岡レポート

ノリントン来日公演(民音のサイト)

 現・シュツットガルト放送交響楽団首席指揮者。最近のCDのリリースを見ると、エルガーやRVWなどイギリス音楽のエキスパートのようになった感のあるノリントンですが、80年代後半から90年代初めにかけて、バロック・古典派からロマン派までの音楽を、正統的な形で再現する、いわゆる「古楽派」の指揮者として活躍していました(手兵の「ロンドン・クラシカルプレーヤーズ(LCP)」は解散してしまいましたが、「エンジ・オブ・エンライトゥンメント」と合併した形で、その活動は続いているようです)。

サー・ロジャー・ノリントン(エルガー交響曲第1番CDライナーノートより抄訳)

 イングランド・オックスフォード生まれ。音楽とつながりの深い大学関係者の家庭に育つ。幼時に,ボーイソプラノの才能を発揮し,10歳からバイオリン,17歳から歌唱を学ぶ。ケンブリッジ大学で英文学を修め,数年間アマチュアのバイオリニスト,テノール歌手,指揮者を務めた後,王立音楽大学でサー・エイドリアン・ボールトに師事する。
 1962年,シュッツ合唱団を創設,以後30年にわたって歴史的な演奏活動を行い,Argp/Deccaレーベルに,主に17世紀から18世紀の作品を発表した。当初はロンドン・バロックと共演していたが,後に,ロンドン・クラシカル・プレーヤーズを通常のパートナーとするようになる。交響曲の研究と演奏が中心になるにつれて,シュッツ合唱団よりもLCPとの活動が中心となっていく。その時代楽器によるベートーベン交響曲の劇的な演奏は,一気に注目を浴びるに至った。その録音は,イギリス,ドイツ,ベルギー,アメリカで様々な賞を受賞し,今,最も人気のあるものの一つである。

一時期、EMIレーベルの古楽の雄として,そのレコーディングは盛んにリリースされていましたが,ほとんど廃盤状態です。一部がveritas@Virgin_classicに移り、現在でも外盤で入手可能ですが、国内版はほとんどリリースされていません。モーツァルト後期交響曲群シューベルトの交響曲(ザ・グレート!),メルヴィン・タンと組んでレコーディングしたモーツァルトのピアノ協奏曲など,聴いてみたいものはたくさんあるのに。

私は専門家ではないので学究的なことはわかりませんが,ノリントンの演奏はとても暖かく,パッションに満ちています。ベートーヴェンあたりが騒がれたのもよくわかります。ひとことで言うと,彼の演奏は「臨場感を大事にしている」ような感じがします。おいしい果物や野菜を食べた後のような感覚です。その辺が,アーノンクールガーディナーあたりの「冷たい演奏」と一線を画するものだと思います。アーノンクールのモーツァルトやガーディナーのベルリオーズなどにも感動しますけど,なんだか,「よく効くビタミン剤」を飲んでいるような感じですね(爆)。

もう少し細かいことを言うと,ノリントンの演奏の最大の特長は「弦の響きの柔らかさ」で,最初に購入した『ワーグナー管弦楽曲集』で存分に味わうことができます。身振りの大きなボーイングや過剰ビブラートとは全く無縁で,腕や楽器そのものの響きを感じることができる(EMIの録音でも−爆)演奏です。さらに,「所々で炸裂するティンパニ」ですね。『ブラ1』の最後の連打には度肝を抜かれましたが,ベートーヴェンでは「これしかない!」って感じで高鳴ってくるので,一気に興奮状態に入れます。

古楽オケの顕著な魅力は(私も最初そうでしたが)管楽器の柔らかい響きでしょう。ところが,ノリントンの演奏だと,そうでもないんですね。その辺が日本の古楽ファン(ブリュッヘン@18世紀オケや,ガーディナー@ORRを好む)にはわかりにくいところなのかもしれません??? しかし,同じ先覚者である「ハノーヴァー・バンド」もノリントンと同系統だと思いますし,現在古楽オケの最先端と言ってもよい「インマゼール@アニマ・エテルナ」の演奏なんか,端的な例だと思います。

とにかく,ノリントンの演奏にふれて,古楽のイメージは一変しました。いつかロンドンへ行って,「体験シリーズ」を体験してきます(絶対!!!)。

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